メンゲルベルク ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死



このページは、メンゲルベルクの演奏とされている「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死についてまとめています。

前奏曲と愛の死の謎

メンゲルベルクのワーグナー「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲と愛の死は、現在1種類の録音しか聴くことができません。

1943年3月18日:CGO (Gramophone recording)

しかし、この録音には問題があります。

・1953年にピエール・モントゥーがコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮した録音だという指摘がされている

・冒頭の指揮棒で指揮台を叩く音は明らかに別音源を継ぎ足したものである

録音を聴いてみる分には、いかにもメンゲルベルクらしい雰囲気を感じます。

それにモントゥーの演奏とする1953年の録音とは思えないような音の古さがあります。

その一方で冒頭のコツコツが継ぎ足されているので、他にも何かありそうな疑念が湧いてくるのも事実です。

(フルトヴェングラーの1951年のバイロイトの第9でも足音事件がありますが)

この件については以下のいずれかの情報があれがもう少しすっきりしてくると思われます。

・メンゲルベルクのトリスタンの別の録音が発見される(演奏スタイルがわかるので)

・モントゥーの1953年のトリスタンの音源が出てくる(モントゥーの別の年やオケでの録音はありますが…)

新事実!2016年12月25日追記

知人から重要な情報をいただきました。

1943年3月18日の演奏会ではイゾルデの愛の死にソプラノ歌手の歌唱が入っているとのことです。

だとすると、現在リリースされている録音は管弦楽のみですから明らかに違う録音であることになります。

Regarding Tristan, there is no need for further research. It’s definitely Monteux. Another Mengelberg expert confirmed to me that they made a comparison in the archives of the Radio and found it identical with Monteux. Even more important is the fact that the Liebestod in the concert in question was with the soprano Ruth Horna.

さらに分析を続けます。