このページは、メンゲルベルクのベートーヴェンの交響曲 第5番「運命」についてまとめています。
現在聴くことのできるメンゲルベルクの第5番は、第1楽章のみを含めると合計4種類です。
本サイトでは、オランダのウィレム・メンゲルベルク協会の日付をリファレンスとします。
各録音の詳細については、こちらで分析しています:メンゲルベルクのベートーヴェン交響曲第5番「運命」の録音を分析した結果
ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」
現在聴くことのできる録音
1922年4月11日 Gramophone recording
第1楽章のみ (他の楽章は録音されなかったようです)
ニューヨークフィルハーモニー
VN-01842
1937年5月4日 Gramophone recording
アムステルダムコンセルトヘボウ管
VN-01829 ※CDジャケットには1937年4月5日と記載されていますが誤記です。
1940年4月18日 Live recording
アムステルダムコンセルトヘボウ管
MR2171
VN-01812
1942年4月15日 Gramophone recording
アムステルダムコンセルトヘボウ管
Teldec 4509-95515-2 ※CDジャケットには1937年5月4日と記載されていますが誤記です。
私見
4種類ありながら、どれも印象の異なる演奏です。
誤解を恐れずにワンセンテンスで印象を記すとこんな感じです。
1922年のNYPはポルタメントが一番効かせている演奏(艶めかしく感じます)
1937年は推進力のある演奏(颯爽さと爽快感を感じます)
1940年はライブだけあって表情付けが一番濃密な演奏(演奏にひきづりこまれます)
1942年はスタカートが一番強調されている演奏(歯切れがよく感じます)
個人により印象は異なります。
各演奏の違いの分析は、別ページでしますが、第1楽章の演奏時間だけ抜粋します。
第1楽章は休符で始まりますので、最初の音から最後の音までを計測した時間です。
VN-01842(1922): 6:17
VN-01829(1937): 7:52
PROC-1895(1940): 6:17
MR2171(1940): 6:16
VN-01812(1940): 6:17
Teldec 4509-95515-2(1942): 7:42
NYPとのセッション録音とライブでは6分17秒くらいなのに比べ、コンセルトヘボウとのスタジオ録音では7分後半という時間をかけた演奏になっています。それでいて1937年と1942年の演奏はずいぶん聴いた印象が異なっています。
ちなみにオランダのウィレム・メンゲルベルク協会のデータは以下となります。
NYPO, dinsdag, 11 april, 1922: 6:25
CGO, dinsdag, 4 mei, 1937: 8:01
CGO, donderdag, 18 april, 1940: 6:37
CGO, woensdag, 15 april, 1942: 7:48
こちらの時間には演奏前後の収録音も時間に含まれているようです。