CDデータ
CD型番
WQCC-351 (4枚組)
CDレーベル
タワーレコード (WARNER X TOWER RECORDS/Detour Collection)
収録内容
<DISC1>
1. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫ (1937年録音版)
2. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (SPからの復刻)
<DISC2>
3. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫ (1941年録音版)
4. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (メタル・マザーからの復刻テープによる)
<DISC3>
5. 交響曲第5番 ホ短調 作品64
6. 序曲≪1812年≫ 作品49
<DISC4>
7. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(テレフンケン版)
8. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(ウルトラフォン版)
演奏
ウィレム・メンゲルベルク(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1-4,6)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(5,7,8)
コンラート・ハンゼン(ピアノ)(7,8)
演奏時間
(注) ()内の時間はCD添付のブックレットに記載されている原盤番号別の収録時間です。
原盤番号など詳細はブックレットをご参照ください。
1. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫ (1937年録音版)
第1楽章 17:08 (4:29+4:47+3:16+4:36)
第2楽章 8:00 (3:43+4:17)
第3楽章 8:33 (4:13+4:20)
第4楽章 8:28 (4:48+3:40)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
2. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (SPからの復刻)
第1楽章 アンダンテ 8:49 (4:38+4:11)
第2楽章 ワルツ 3:51
第3楽章 エレジー 7:18 (4:16+3:02)
第4楽章 フィナーレ(ロシアの主題) 5:35 (1:13+4:22)
第1楽章 アンダンテ
第2楽章 ワルツ
第3楽章 エレジー
第4楽章 フィナーレ(ロシアの主題)
3. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫ (1941年録音版)
第1楽章 16:56 (4:33+4:19+3:25+4:39)
第2楽章 8:14 (3:45+4:29)
第3楽章 8:42 (4:18+4:24)
第4楽章 9:31 (4:49+4:42)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
4. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (メタル・マザーからの復刻テープによる)
第1楽章 アンダンテ 8:49 (4:39+4:10)
第2楽章 ワルツ 3:52
第3楽章 エレジー 7:16 (4:14+3:02)
第4楽章 フィナーレ(ロシアの主題) 5:34(1:12+4:22)
第1楽章 アンダンテ
第2楽章 ワルツ
第3楽章 エレジー
第4楽章 フィナーレ(ロシアの主題)
5. 交響曲第5番 ホ短調 作品64
第1楽章 13:30 (4:27+3:49+2:40+2:34)
第2楽章 12:52 (4:40+4:24+3:48)
第3楽章 6:03 (3:10+2:53)
第4楽章 9:57 (4:18+2:20+3:19)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
6. 序曲≪1812年≫ 作品49 15:22 (4:05+4:33+3:09+3:35)
7. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(テレフンケン版)
第1楽章 17:32 (4:15+4:38+4:33+4:06)
第2楽章 6:38 (3:01+3:37)
第3楽章 6:40 (2:34+4:06)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
8. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(ウルトラフォン版)
第1楽章 17:33 (4:15+4:39+4:34+4:05)
第1楽章 6:38 (3:01+3:37)
第3楽章 6:40 (2:34+4:06)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
録音日時
<DISC1>
1. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫
1937年12月21日 アムステルダムのコンセルトヘボウザールにて
2. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (SPからの復刻)
1938年11月7日 アムステルダムのコンセルトヘボウザールにて
<DISC2>
3. 交響曲第6番 ロ短調 作品74 ≪悲愴≫
1941年4月22日 アムステルダムのコンセルトヘボウザールにて
4. 弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 (メタル・マザーからの復刻テープによる)
1938年11月7日 アムステルダムのコンセルトヘボウザールにて
<DISC3>
5. 交響曲第5番 ホ短調 作品64
1940年7月8,11日 ベルリンのフィルファーモニッシェンザールにて
6. 序曲≪1812年≫ 作品49
1940年4月9日 アムステルダムのコンセルトヘボウザールにて
<DISC4>
7. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(テレフンケン版)
1940年7月11日 ベルリンのフィルファーモニッシェンザールにて
8. ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(ウルトラフォン版)
1940年7月11日 ベルリンのフィルファーモニッシェンザールにて
メモ
タワーレコードの商品コピー
出典
タワーレコード公式サイト 商品紹介から
SPからの復刻によるメンゲルベルク/チャイコフスキー – テレフンケン発売録音集大成<タワーレコード限定>
完全な形で蘇った’37年と’41年の2つの”悲愴”。日本が世界に誇る復刻の執念が結実! 大レア盤が待望の再発売!
それまでのメンゲルベルクの名盤「悲愴」は、1937年と’41年の音源の混合盤であったことを発表し、当時センセーショナルな話題を提供した郡修彦氏制作による歴史的なセットとして有名なこのCDが、長い時を得て再発売!
このCD復刻で初めて1937年盤の純正な響きを蘇らせ(日本テレフンケンの未使用初出盤を使用)、また当時日本に2セットしか存在しなかった1941年盤のSPを使用しての非常に貴重なCD復刻がここに刻まれています。
尚、ドイツ・テレフンケンへの第1回目の録音として選ばれたのがこの1937年盤ですが、SPの収録時間に合わせた録音はメンゲルベルクを満足させるものではなかったために、後に1941年に再録音を行ったと言われています。特に第4楽章では本来のテンポに戻り(約1分長い)、音質面でも向上したこの演奏はメンゲルベルクの決定盤と言えるでしょう。
郡修彦氏による詳細な経緯が記述されているブックレットと合わせ、未来に残すべき価値があるセットです。併録の2種の弦楽セレナーデ(メタル・マザー&SP)と1812年、BPOとのチャイコフスキー5番やピアノ協奏曲第1番(同一演奏を恐らく別装置で収録した2種)を含む、メンゲルベルクのテレフンケンへの全チャイコフスキー録音が収録されています。
タワーレコード (2013/04/03)
収録内容 構成数 4枚
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※SP復刻音源によるモノラル録音
※別紙印刷付き: 復刻に使用したSPレーベルのレーベル面印刷(カラー)
※解説: 宇野功芳氏、郡修彦氏、解説書合計13ページ
演奏について
交響曲第5番
現在は以下の録音を聴くことが出来ます。
1927年6月10日 第2、3楽章のみ アムステルダムコンセルトヘボウ管
1928年5月 全曲 アムステルダムコンセルトヘボウ管
1939年11月26日 全曲 アムステルダムコンセルトヘボウ管
1940年7月8日、11日 全曲 ベルリンフィルハーモニー (このCD)
録音記録はあるが原盤所在不明
1925年 全曲 ニューヨークフィル
また、1944年のパリでのコンサートでも2月17日(木)に、大学祝典序曲(ブラームス)、ピアノ協奏曲第2番(リスト)と一緒に交響曲第5番を演奏しています。この時はパリのシャンゼリゼ劇場でラジオ放送用の演奏会であったため、今後のCD化の可能性が残されています。
さて、このCDに収録されている1940年盤は、最後年の演奏であり、ベルリンフィルとの客演演奏でもあります。
1940年のベルリンフィルを、メンゲルベルクがどのように躾たのかはわかりませんが、メンゲルベルクの指示通りの演奏を繰り広げていて、メンゲルベルクの特徴あるテンポやフレーズ、ニュアンスの付け方も、ベルリンフィルが何食わぬ顔でしっかりとこなした演奏となっています。
この時を撮影したと思われる映像が残されています。
演奏は、アムステルダムコンセルトヘボウ管とベルリンフィルとの違いを、みなさんが感じられている(予想されている)通りのニュアンスの違いを見せています。
なお、CD添付のブックレットによりますと、このCDではオランダ・テレフンケン盤のSPを元に復刻されているそうで、他の多くのCDのようにドイツ・テレフンケン盤を使用していないため音質が良いとのことです。
交響曲第6番
現在は以下の録音を聴くことが出来ます。
1923年4月19日 第2楽章のみ ニューヨークフィル
1923年4月23日 第4楽章のみ ニューヨークフィル
1937年12月21日 全曲 アムステルダムコンセルトヘボウ管 (このCD)
1941年4月22日 全曲 アムステルダムコンセルトヘボウ管 (このCD)
1944年1月20日 全曲 パリ放送管弦楽団
録音記録はあるが原盤所在不明
1937年4月3日-4日 全曲 アムステルダムコンセルトヘボウ管
メンゲルベルクは1937年4月3日-4日にドイツ・テレフンケン社で悲愴を録音していることがテレフンケン社の記録に残っているそうです(原盤管理番号:022100~022109)。しかし、その録音は発売されず、録音原盤は所在不明です。
また収録時間の物理的な制約から、終楽章のテンポ設定を速めていることがメンゲルベルクの不満であり、それが1941年の再収録につながっているとのエピソードも紹介されています。
また、1923年にニューヨークフィルとの録音も、第2楽章と第3楽章が録音されたまま、残りの楽章の録音がされなかった理由も不明です。
そして、最大の謎は名盤の誉れ高い1937年盤についてです。
概要のみ箇条書きにしていますが、事の経緯についてはCD添付のブックレットに詳細に記載されていますので、そちらをご参照ください。
1937年4月3日と4日にドイツ・テレフンケン社に全曲録音
1937年12月21日にドイツ・テレフンケン社に再録音
1938年に発売され、世界中で愛聴され、1944年まで製造された
1941年4月22日にドイツ・テレフンケン社に改めて全曲録音
この盤は、第二次世界大戦中であり、余り販売されなかった上に、戦災で貴重な原盤は焼失してしまった
戦後、復刻されたのはSPからの粗悪なダビングで、演奏の真価は伝わることがなかった
戦後、ドイツ・テレフンケン社が1937年盤を復刻し、世界中へ配布した。ところがこの復刻版には第1楽章と第3楽章の一部に1941年盤が使われた混合音源だった
つまり、今まで聴いていた1937年盤は1941年盤との混合音源、1941年盤はSPからの粗悪なダビングだったということでした。
この復刻企画では、大変なご苦労の末、本来の姿の1937年盤と1941年盤をCD化したものです。
1937年盤は、このCDでは、よりダイレクトに迫ってくるような音になっている印象を受けます。
1941年盤は、今まで聴きやすいけれども、おとなしい印象でしたが、このCDでは、なかなかの迫力を備えていることを再認識しました。
弦楽セレナーデ ハ長調
メンゲルベルクは、ワルツのみ2種類の録音を残しています。
1923年4月26日にニューヨークフィルとの録音
1928年5月12日にアムステルダムコンセルトヘボウ管との録音
全曲は、現在この録音が初めで最後です。
このCDセットでは、従来音源として使用されていた金属原盤から制作したマスターテープにイコライジングしたCDと、ドイツ・テレフンケン盤に最新復刻技術を施したCDの2種類を聴くことが出来ます。
私には、後者の方がより鮮明になった印象がありますが、メンゲルベルクの演奏の持つ怪しい艶やかさは前者の方があるように聴こえます。もはやこれは好みの問題でしょうか。
序曲1812年
この曲の録音は、この1種類しかありませんが、素晴らしい演奏です。
中間部の詩情に満ちた旋律の歌わせ方も良いですし、最後に向かって上り詰める高揚感は中々のものがあります。
このCDではスクラッチノイズ除去処理のされている音源ではなく、状態の良いSP盤よりCD化されているそうで、確かにノイズの音は聞こえますが、より生々しい迫力の演奏を聴くことが出来ます。
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
この曲の録音についても、驚くべきことがブックレットに記載されています。
1988年に復刻された市販用音源では、第3楽章の冒頭がルービンシュタインとバルビローリの演奏の音と差し替えられているということです。理由はメンゲルベルクの収録した原音では、冒頭のティンパニを含めたフォルテの音が強すぎてレコードの溝の幅が十分な幅で確保できずに、一度でも蓄音機の針を落としてしまうと溝が傷き、次回以降の再生で音が割れてしまうためとのことでした。
このCDでは、音の割れの程度が良いSPを探して音源に使用しているとのことです。
また、ドイツ・テレフンケン盤のSPと、チェコスロバキア・ウルトラフォン盤のSPとでは、同じように聴こえるものの、ダイナミック感や、SP盤の溝の作りが違うことから、異なる録音か、少なくともテレフンケン盤の第2楽章は別の日の録音ではないかと指摘されています。
ブックレットでは、このピアノ協奏曲は、交響曲第5番と同じ日(1940年7月8,11日ベルリンのフィルファーモニッシェンザールにて)に録音されているとなっていますが、別の資料では、違う日付となっています。
1940年7月8日、10日、11日:交響曲第5番
1940年7月9日:ピアノ協奏曲第1番
あるいは1940年7月8日~11日の間に、ピアノ協奏曲を複数回録音したのかもしれませんし、リハーサル収録音源が使われているのかもしれませんが、いまや謎のままです。
なお、このCDでは、完全を期すためということで、ドイツ・テレフンケン盤の演奏と、チェコスロバキア・ウルトラフォン盤の演奏を、2つの録音が収録されています。
追記:ピアノ協奏曲の原盤は第1楽章が4枚、第2楽章と第3楽章がそれぞれ2枚で構成されています。
今回、改めて原盤ごとに比較検討した結果、第2楽章の2枚目の原盤のみ、ドイツ・テレフンケン盤とチェコスロバキア・ウルトラフォン盤とで異なった録音(演奏)ではないかと推定しました。詳しくは以下にまとめました。
↓ ↓ ↓ ↓
メンゲルベルク チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番の謎
調達経路(日本国内)
私は発売を知ってから、TowerRecordsで予約購入しました。
HMV(ローチケ)
取扱なし
TowerRecords
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