20 Janvier 1944 La symphonie Pathetique

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CDデータ

CD型番

CDRG 189 (2枚組)

収録内容

CD1 (CDRG 189-1)

Berlioz: Ouverture du Carnaval Romain
Chopin: Piano Concerto No. 2: I. Maestoso
ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調

CD2 (CDRG 189-2)

Tchaikovsky: Symphony No. 6 “Pathetique”
チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』

CDレーベル

Malibran Music

演奏

Mengelberg (Conduct)
Orcjestra of Radio-Paris
Alfred Cortot (pf) [CD1]
パリ放送管弦楽団
アルフレッド・コルトー(ピアノ)[CD1 Chopin: Piano Concerto No. 2]

演奏時間

CD1

01. Presentation (00:44)
02. Berlioz: Ouverture du Carnaval Romain (10:20)
03. Presentation (02:56)
04. Chopin: Piano Concerto No. 2: I. Maestoso (14:08)
05. II. Larghetto (08:44)
06. III. Allegro vivace (09:33)

CD2

01. Presentation (04:39)
02. Tchaikovsky: Symphony No. 6 “Pathetique”: I. Adagio – Allegro non troppo (19:23)
03. II. Allegro con grazia (08:27)
04. III. Allegro molto vivace (08:52)
05. IV. Adagio lamentoso (13:36)

録音日時

1944年1月20日 パリ シャンゼリゼ劇場  ライブ録音(放送用に収録)

CDRG189-2

波形

CD1 (CDRG 189-1)

Berlioz: Ouverture du Carnaval Romain
cdrg189-1-berlioz-ouverture-du-carnaval-romain-berliozparisrso1944-1-20
Chopin: Piano Concerto No. 2: I. Maestoso

第1楽章
cdrg189-1-p-con-no-2chopin-i-maestoso-piano-concerto-no-2-in-f-minorchopinmengelbergparisrso1944-1-20
第2楽章
cdrg189-1-p-con-no-2chopin-ii-larghetto-piano-concerto-no-2-in-f-minorchopinmengelbergparisrso1944-1-20
第3楽章
cdrg189-1-p-con-no-2chopin-iii-allegro-vivace-piano-concerto-no-2-in-f-minorchopinmengelbergparisrso1944-1-20


CD2 (CDRG 189-2)

Tchaikovsky: Symphony No. 6 “Pathetique”

第1楽章
cdrg189-2-tchaikovsky-symphonie-no-6-pathetique-1-adagio-allegro-non-troppo
第2楽章
cdrg189-2-tchaikovsky-symphonie-no-6-pathetique-2-allegro-con-grazia
第3楽章
cdrg189-2-tchaikovsky-symphonie-no-6-pathetique-3-allegro-molto-vivace
第4楽章
cdrg189-2-tchaikovsky-symphonie-no-6-pathetique-4-adagio-lamentoso


メモ

演奏について

コルトーファンには申し訳ないのですが、このCDはメンゲルベルクの悲愴が聴きもののCDです。

2009年に突如発売され、メンゲルベルクファンは初出の悲愴の登場に歓喜の涙をこぼしました。

メンゲルベルクの悲愴の4種類目の録音となりました。

1923年4月19日 第2楽章のみ (ニューヨークフィル)
1923年4月23日 第4楽章のみ (ニューヨークフィル)
1937年12月21日 全曲 (アムステルダムコンセルトヘボウ管)
1941年4月22日 全曲 (アムステルダムコンセルトヘボウ管)
1944年1月20日 全曲 (パリ放送管弦楽団) ← このCD(CDRG 189-2)

このCD2枚組は、1944年1月20日のコンサートの放送用に収録されたもので、会場の拍手はもちろん、放送時に入ったアナウンスも丸ごと収録されています。

チャイコフスキーはロシアの作曲家のため、ナチスから演奏が禁じられていたにもかかわらず、1944年に至っても演奏を続けていたことは驚きです。

しかし残念なことに、この録音は、放送用の割には録音状態(保存状態)は劣悪で、テープヒスやノイズに悩まされます。

それでもメンゲルベルク最後の悲愴の演奏が聴けるという価値は、何物にも代え難く貴重な録音であることには違いありません。

メンゲルベルクは悲愴を97回指揮しているとのことですので、今後も新たな悲愴の録音の登場が待ち望まれます。

実は、メンゲルベルクは1937年4月3日-4日にドイツ・テレフンケン社で悲愴を録音していることがテレフンケン社の記録に残っているそうです(原盤管理番号:022100~022109)。しかし、その録音は発売されず、録音原盤は所在不明です。この辺の詳しい経緯はWQCC-351/4で詳しく紹介します。

追記

メンゲルベルクの悲愴を各録音年代別に比較したところ、演奏時間の観点から、このCDの演奏こそがメンゲルベルクの目指していた真の悲愴だったのではないか(特に終楽章)という推測になりました。

詳しくはこちら:メンゲルベルクのチャイコフスキーの交響曲 第6番「悲愴」の各録音を分析

ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』

一部に音質が急激に変化したりするところがありますが、それでもこのCDの中では比較的聴きやすいです。

ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調

録音状態も、コルトーの調子も、決して十分なものではありません。

ピアノタッチの微妙なところは判別不能ですが、ライブ特有の熱気のようなものは伝わってきます。

特にピアノ(フォルテに対して)の音を聴き取ることが十分にできないので、ショパンのピアノ協奏曲を味わうには厳しい録音です。

チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』

おそらくはメンゲルベルクの最後の悲愴となったであろう、この録音が登場した際は大変な驚きと喜びを感じましたが、最初に耳にした際の、あまりに録音状態の悪さに唖然としたことも事実でした。

オケについても、手兵のアムステルダムコンセルトヘボウ管との極めつくした演奏と比べると、いさいさか演奏技術に問題があるものの、メンゲルベルクの悲愴の演奏であることには変わりはありません。

特に第1楽章のコーダは、これはこれで味わい深く、アムステルダムコンセルトヘボウ管の録音とは違った何とも言えない感動があります。

第2楽章も、音飛びのようなところもありますが、演奏はとてもロマンテックで、ゾクッとするような艶めかしい色気もあり、メンゲルベルクならではの演奏です。

しかしながら、第3楽章の迫力、第4楽章の表現力は、アムステルダムコンセルトヘボウ管との演奏には届かないと思いました。

それでも貧弱な音の中に、なにかしみじみとした味わいと、慈しんで演奏しているかのように聴こえる気がしてくるようになりました。

今ではメンゲルベルクの悲愴を聴くとなると、1937年や1941年の録音より、この1944年の録音を聴いています。


ブックレットに重要なコンサートの記載

とても重要な情報がありますので、ここに和訳してご紹介します。

最初に、このCDでショパンの協奏曲を弾いているコルトーですが、約5か月後に再び同じ組み合わせで演奏会に登場しています。

1944年6月15日:ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

これは1944年の5月から6月にかけて開催されたベートーヴェンチクルスの中の演奏会のものでした。

そのベートーヴェンチクルスを含めたメンゲルベルクのパリでの演奏会の情報が掲載されています。

奇妙なことに、コンサートの開かれた曜日がすべて木曜日と日曜日です。

おそらく中継のラジオ放送の番組が、木曜日と日曜日であったことによると思われます。

1942年
11月29日(日)

ベートーヴェン:エグモント序曲、交響曲第8番、交響曲第7番

1943年
ベートーヴェンチクルス

5月20日(木):交響曲第1番、ロマンスへ長調、アリア「ああ、不実なるものよ」、交響曲第2番
5月23日(日):プロメテウス序曲、ピアノ協奏曲第3番、交響曲第3番
5月27日(木):フィデリオ序曲、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第4番
5月30日(日):コリオラン序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第5番
6月3日(木):序曲レオノーレ第3番、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、交響曲第6番
6月6日(日):エグモント序曲、交響曲第8番、交響曲第7番
6月10日(木):献堂式序曲、交響曲第9番

このチクルスの一連の演奏はラジオ放送されたようで、6月10日の第9は1944年の1月1日にも再放送したらしいです。
どこかに録音が残っていないものでしょうか!

1944年
1月のコンサート

1月6日(木):オイリアンテ序曲(ウェーバー)、ヴァイオリン協奏曲(チャイコフスキー)、交響曲第1番(ブラームス)
1月9日(日):シラノドベルジュラック序曲(ワーヘナール)、ヴァイオリン協奏曲(ブルッフ)、ジークフリート牧歌(ワーグナー)、前奏曲(リスト)
1月13日(木):シンフォニア第1番(バッハ)、ホルン協奏曲第2番(モーツァルト)、英雄の生涯(リヒャルト・シュトラウス)
1月16日(日):アナクレオン序曲(ケルビーニ)、チェロ協奏曲(ドボルザーク)、交響曲ニ短調(フランク)
1月20日(木):序曲ローマの謝肉祭(ベルリオーズ)、ピアノ協奏曲第2番(ショパン)、交響曲第6番「悲愴」(チャイコフスキー)
1月23日(日):ロザムンデ序曲(シューベルト)、くるみ割り人形(チャイコフスキー)、アルルの女第1組曲(ビゼー)、ウィリアムテル序曲(ロッシーニ)
1月27日(木):アルチェステ 序曲(グリュック)、チェロ協奏曲(ボッケリーニ)、交響曲第9番(シューベルト)

1944年の1月のコンサートの1月16日と1月20日(本CD)がCD化されました。

2月のコンサート

2月3日(木):第2組曲(バッハ)、フルート協奏曲(モーツァルト)、ハイドンの主題による変奏曲(ブラームス)、交響曲第4番(シューマン)
2月6日(日):マンフレッド序曲(シューマン)、ピアノ協奏曲(シューマン)、交響曲第3番(ブラームス)
2月10日(木):シラノドベルジュラック序曲(ワーヘナール)、ヴァイオリン協奏曲(フェラーリ)、火の鳥(ストラビンスキー)
2月13日(日):売られた花嫁序曲(スメタナ)、交響曲第4番(グズラノフ)、3つの詩(ワーグナー)、ファウストの劫罰から3曲(ベルリオーズ)
2月17日(木):大学祝典序曲(ブラームス)、ピアノ協奏曲第2番(リスト)、交響曲第5番(チャイコフスキー)

ベートーヴェンチクルス

5月18日(木):エグモント序曲、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第1番
5月21日(日):交響曲第2番、ピアノ協奏曲第2番、序曲レオノーレ第3番
5月25日(木):ピアノ協奏曲第3番、交響曲第3番
5月28日(日):ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲、交響曲第4番
6月1日(木):ヴァイオリン協奏曲、交響曲第5番
6月8日(木):フィデリオ序曲、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第6番
6月11日(日):合唱幻想曲
6月15日(木):コリオラン序曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、交響曲第8番
6月18日(日):交響曲第9番

調達経路(日本国内)

私は販売前にHMVに予約して購入しました。

メンゲルベルクの録音は、複数のレーベルや再販により、1つの録音で複数の選択肢があるのですが、この悲愴は、このCD以外では聴くことのできない貴重なものです。

HMV(ローチケ)

ショパン:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:『悲愴』 コルトー、メンゲルベルク&パリ放送管(1944)(2CD)

TowerRecords

Mengelberg with Cortot – Berlioz, Chopin, Tchaikovsky / Alfred Cortot, Willem Mengelberg, Paris Radio Orchestra

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